<第2弾>利用者インタビューシリーズ:わたしはこう使う「電話リレーサービス」

「きこえない人ときこえる人を 電話でつなぐ仕事」通訳オペレータの場合

手話動画を含むコンテンツです 対象: すべての人
掲載日 : 2024年11月05日

わたしはこう使う「電話リレーサービス」

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このインタビュー動画は、拡張音声解説版です。
動画では、利用者または関係者がインタビューを受けており、字幕と手話ワイプが付いています。

インタビューシリーズ:わたしたちはこう使う「電話リレーサービス」番外編
「きこえない人ときこえる人を、電話でつなぐ仕事」
通訳オペレータの場合

オフィスで、インタビューを受ける通訳オペレータふたり、LさんとRさん(仮名)。

質問1:通訳オペレータとは?
(L)聴覚や発話に困難のある人とそれ以外の人、お互いが電話をするときに、
その電話での会話の通訳をする仕事です。
通訳方法は手話と文字があって、
手話であれば、通訳オペレータときこえない人はビデオ通話を使ってつながっていて、
文字であれば、チャット画面を使ってつながっています。
その状態できこえる人に音声で通話をかける。
そういう仕事です。

質問2:電話通訳で気をつけていることは?
(L)大事にしていることは守秘義務です。
私たち(手話通訳士)には、手話通訳士倫理綱領で「守秘義務」が課されているし、
電話リレー法※でも「秘密保持」を決められている。
だから、仕事で知り得たことは絶対にほかには漏らさない。
※注釈:電話リレー法とは、「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律」をいいます。
また、通訳オペレータ運用指針でも守秘義務について定められています。
(R)そこはかなり気をつけてるね。
違反した通訳オペレータには罰則もあって、皆とても気をつけて仕事をしている。
公共インフラだから実現できたこととしては緊急通報があるよね。
緊急通報は通訳オペレータ皆、絶対につなぐという使命感を持ってやっているよね。
毎回毎回ひとつも同じ事例がない。
やっぱりそこが緊張する面でもあり、でも絶対につなぐ、絶対通報するという気持ちで皆取り組んでいます。
(L)手話と日本語は違う言語だから、お互いやり取りをしていて、
どうしても、ここが今、解釈が違ったかも、ズレたかもしれないということもあるけど、
そういうちょっとしたことに気付いたらすぐに確認をして、
内容に過不足がないようにして通訳するように工夫しているかな。
かといって、どちらか一方に肩入れをしたりもしないで、必ず通訳に徹して仕事をしている。
そこを気をつけているかな。

質問3:工夫していることはありますか?
(L)会話の相手がお互いに見えていないということを意識して通訳しています。
やっぱり対面と違って、電話の通訳はお互いが見えていない状態で、
しかも通訳オペレータときこえない人の性別や年齢が違ったりもするから、
そこの解釈や理解にズレが起きないようにきちんと通訳するように気をつけているかな。
(R)たしかにね。
性別が違ったりすると、きこえる人が少し混乱することもあり、
(L)今話しているのは女性だけど、名前は男性だし、
どういうこと?と混乱が伝わってくることもあるから、
そこはちゃんとキャッチして、通訳として働きかけ、
「今混乱してるみたいけど、説明していいですか?」と聞いたりしながらやってるかな。
(R)でも、聞いたり確認したりはするけど、
通訳が間に入ることで調整とか代わりに交渉したりとか、
そういうのは絶対にしないようにしているね。

質問4:電話リレーサービスならではの提供体制は?
(L)あとは電話の通訳、電話でのお話って、
どうしても長くなって、40、50分になることもあるね。
私たちには提供業務規程があるし、
通訳オペレータ運用指針も定められていて、
長時間の対応後は必ず休憩を取ることができるから、
自分の通訳のパフォーマンスを下げずにきちんと通訳する環境が整っている。
(R)たしかに、いつでも自分のパフォーマンスが、
(L)うん、発揮できる。それは安心できるかなって。
(R)やっぱり公共インフラということで、
24時間365日電話ができるというのは、利用者にとって、とても安心感がある。
(L)いつでも電話がかけられるというのは、
かなり安心感があるんじゃないかな。
(R)特に災害時、地震とか台風などの時は電話が絶対使えた方がいいし、
(L)いつ起こるかわからないことだからこそ、
24時間365日使えることは大きいことだと思う。

質問5:通訳の質を高める取り組みはありますか?
(L)指導者の中にろう者の指導者もいるから、
すぐに手話表現や言い方を確認できる。
(R)そうだね。
(L)その環境は本当にありがたいなって思うし、
自分の一回のミスというか、気になったところもすぐに修正できる。
それはいい環境だなって。
(R)たしかに。
通訳オペレータ同士の事例検討会や、研修を定期的にやってるよね。
電話ってテンポがすごく大事だから、会話の間の取り方とか、
(L)うん、発言のタイミングとか、
(R)皆が工夫していることをきけるのがとてもいいよね。
あとは悩みなどを研修会で吐き出すことで、みんなレベルアップを図ったり、
(L)うん、モチベーションを保てる。
地域で活動している人とか、いろいろな経験を持った人たちが集まっているから、
そういう人たちで切磋琢磨して、日々自分の技術を高めていける環境だなって、
(R)すごくいい環境。

質問6:通訳オペレータとして思うことは?
(L)私がこの電話通訳を始めたきっかけは同業者に誘われてだったけど、
やってみたら本当に面白くて。
実際どんな人なのか、どこにかけるのか、
通話内容も全く分からない状態で通訳を始める。
それが大変でもあるけど、面白いところだなって思って。
(R)あとはやはり、電話リレーサービスが始まったのって、
2021年、まさにコロナ禍だったんだよね。
対面で実際に直接会うことが難しい時期だったよね。
この電話通訳(電話リレーサービス)が始まって、
電話の利便性を実感する機会になったんじゃないかなと思っている。
(L)電話だと、普段対面で話す時になかなか話せないことも電話だったら話せたり、
家族の話、仕事の話、悩みだったりも話せる。
電話って不思議で、面白いコミュニケーション方法だなって思った。
(R)電話だから場所を選ばずに、
どこからでもかけられるということがメリットで、
(L)電話がなければ、実際に会って約束するなどが必要だけど、
電話であれば、通訳を介していつでも話ができる。
(R)そういう面で、やっぱり供給の広がりでも感じるね。

質問7:この仕事の魅力は?
(L)私たちって24時間365日仕事をしていて、夜勤もあるね。
シフト制で働いているけど、夜勤があっても、
その夜勤明けの日でそのまま運動に行ったり、どこかに移動する日に使ったり、
夜勤を有効活用している人も意外と多いと思う。
空いている時間帯に役所に行ったりとか、
世の中の動きとちょっと違うタイミングで動けるから、
そこはシフト制のいいところかなって。
(R)あとはやっぱり、全国のきこえない人からかかってくる、
それがとってもすごい、楽しい。面白いところだね。
(L)リアルだったら絶対会えない数の人たちに1日に何人にも会えるし。
(R)いろいろな手話表現に触れることができる。
(L)うん、いい環境。楽しいなって思うところでもある。
あとはこの手話通訳って、資格を取った後にどのように働いていったらいいんだろうって、
悩んだり不安に思うこともあったんだけど、
今は電話リレーサービスがあって、雇用が安定している。
公共インフラとして手話通訳の仕事をしながら、きちんと収入を得て、
自分のキャリアを積んでいくことができる。
それはすごく大きなことかなって。
(R)たしかにそうだね。
手話通訳として、この仕事がひとつの生き方としてあるんだよと、
皆に知っていただきたいし、ぜひ目指してほしい仕事だなって思います。

手話で、文字で、電話を通訳。電話リレーサービス。
日本財団電話リレーサービスのロゴ。

連載:「インタビューシリーズ:わたしはこう使う『電話リレーサービス』」とは

「電話リレーサービスってどう使うの?」に具体的におこたえするドキュメンタリーシリーズの第2弾です。

昨年度に引き続き、電話リレーサービスの活用事例に焦点をあて、日々の生活のなかで電話をどう使っているか、またそれにより訪れた変化などお伺いしました。 第2弾は、利用者本人だけでなく、その周辺にいる方々にもインタビューを実施しました。おひとりおひとりの「電話リレーサービス活用術」を是非ご覧ください。

その他のインタビューは以下のリンクよりご覧になれます。

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